血液等の体液を用いて診断や治療法の選択や治療効果の予測等を行う手法をリキッドバイオプシーといい、従来の組織生検に比べて体に負担をかけることなく、くり返し行うことができる解析として近年注目されています。CPMの「リキッドバイオプシー」では、血液を用いて、がん遺伝子パネル解析を行います。組織生検では採取したがん組織の一部の情報しか得られないのに対し、リキッドバイオプシーでは全身での遺伝子変異をリアルタイムに把握することができます。
TruSight Oncology(TSO)500 ctDNAパネルを用いたリキッドバイオプシーでは、血液検体から523遺伝子を対象にした包括的ゲノムプロファイリングを行うことができます。血漿中のセルフリーDNAを抽出し、次世代シーケンサーNovaSeq6000システムを用いて、1塩基変異(SNV)、挿入・欠失(Indel)、コピー数多型(CNV)および融合遺伝子(Fusion gene)を解析し、腫瘍免疫バイオマーカーとなるマイクロサテライト不安定性(MSI)および腫瘍変異負荷(TMB)の測定を行います。さらに、DRAGEN TSO 500 ctDNA Analysis Softwareにより、データ解析およびレポート作成を迅速に行います。
主要ガイドラインや臨床試験に準じたバイオマーカーを含んでいるため、個々のバイオマーカー解析を複数実施することなく、さまざまながん種に関連する523遺伝子および腫瘍免疫バイオマーカーを包括的に解析することができます。
※TSO500パネルでは、ホルマリン固定パラフィン包埋(FFPE)組織などの腫瘍検体を用いた解析も可能です。
解析の利用例
・がん治療効果のモニタリング
・がん再発の早期検出
・がんの遺伝子変異情報に基づいた薬剤情報の取得 等
バフィーコートを用いた偽陽性確認
血漿や血液を用いたパネル解析では、クローン性造血(CHIP: clonal hematopoiesis of indeterminate potential)に由来する変異も、がん由来の遺伝子変異と同様に検出される場合があります(偽陽性)。バフィーコートを用いて同様にパネル解析を実施することで、検出された変異がクローン性造血に由来する変異である可能性を確認することができます。偽陽性確認をご希望の場合は、同一症例のバフィーコートによる解析を別途ご依頼ください。
【使用試薬】
Oncomine Pan-Cancer Cell-Free Assay(Thermo Fisher Scientific)
TruSight Oncology 500
【使用機器】
次世代シーケンサーIon GeneStudio S5 Prime System(Thermo Fisher Scientific)
NovaSeq 6000(Illumina社)
【データ解析】
取得した塩基配列を用いて、遺伝子変異情報を解析します。
サンプル種類 | 生物種:ヒト サンプル種:血漿,バフィーコート,cfTNA/DNA,gDNA |
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解析法 | 次世代シーケンス解析 |
報告内容 | 【納品物】 Oncomine Pan-Cancerパネル ・解析結果報告書 ・シーケンスデータ(Fastqファイル) ・マッピングデータ(BAMファイル) ※TSO500パネルはお問い合わせ下さい 【納品方法】 以下のいずれか ・Ion reporter(Thermo Fisher Scientific)へアップロード ・USBメモリもしくはHDD(別途費用をいただきます) ・クラウド ※シーケンスデータおよびマッピングデータはUSB/HDDもしくはクラウドのみ ※TSO500パネルはお問い合わせ下さい |
目安納期 | ・ライブラリー作製~シーケンスまで:2週間 詳しくはお問い合わせください |
その他 | ご相談に応じて、解析内容をカスタマイズ可能です。: 「申請資料の信頼性の基準」に基いた試験も実施いたします。: お気軽にお問い合わせください。: |
メーカー希望小売価格(税別) | お問い合わせ下さい |
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